Adderとは、民間事業者による再生可能エネルギー発電電力を、国営電力会社等が固定プレミアムを上乗せした価格で買取る制度です。ASEAN諸国では、初の本格的な固定価格買取り制度として注目されました。
太陽光・太陽熱発電に関しては、最も高額な買い取り価格が設定されており、10年間にわたって保証されます。
従来のタイにおける太陽熱発電は、小規模でグリッドに乗っていない設備が主流でしたが、
Adderのおかげで系統連系型のグリッドに乗った設備が大幅に増え、これにより投資を促進する施策として国内外から注目を浴びました。
Adderを巡る動きは以下の通りです。
2006年12月 | 国家エネルギー政策委員会(NEPC)がAdder制度の導入を決定。 |
2007年2月 〜4月 |
買電価格が以下の様に設定された。適用期間はいずれも7年間。 <SPP向け> 8.00バーツ/kWh 買取限度15MW <VSPP向け> 8.00バーツ/kWh |
2007年6月 |
NEPCは、最南部に位置するヤラー、パッターニー、 ナラーティワートの三県で適用されるAdderに優遇レートを適用 (1〜1.5バーツ/kWhを上乗せ)。 |
2007年11月 |
NEPCは、風力に対するAdderを引き上げ(2.5バーツ/kWh→3.5バーツ/kWh)、 更に風力と太陽光・太陽熱のAdder適用期間を延長(7年間→10年間) |
2008年 下半期 |
全世界で、太陽光発電に関する機器の価格が大幅に落ち込み、 その影響でAdder適用の申請が増大しました。 太陽光と太陽熱利用に関連するAdder適用申請は、 設備量基準で2,000MW超(その後3,400MW弱に達しました)となり、 その当時の再生可能エネルギー開発計画の2022年での目標値 である500MWを大幅に上回る数字となりました。 ただし、その実際の内容は、中小企業による転売目的の契約申請が 大多数との見解が多いようです。 |
2009年3月 |
NEPCは8月以降のAdder 申請には、
200バーツ/kWの申込み保証金が必要となる声明を発表しました。 |
2010年6月 |
NEPCは申請中にも関わらず、売電契約に至っていない 太陽光・太陽熱のものに関して、Adderを8バーツ/kWh より 6.5バーツ/kWhに引き下げ、新たな申込みを受け付けない事を決定しました。 |